幾つもの音が出せる不思議なおりんです。側面部を叩くと高低2種類のりんの音。肩の付近を叩けば木魚のような音を発します。また、上下の樹脂部分を持って、本体そのものを振ると、内部の小玉がシャラシャラ。持ったまま本体を横にして、リン棒で叩くと内部の小玉が踊って、りんを連打する音。使い方は人それぞれ。いろいろな発見をしてください。
Qjo Bell(きゅうじょうベル) シリーズについて 文:牧野持侑(2018年1月)
昨年の10月、明治40年創業で110周年を迎えた富山県高岡市内のおりんメーカー
(株)山口久乗さんを訪問しました。
3年ほど前に富山市内の美術館売店で偶然購入した「
てのりん」の音色に惹かれ、以来コンサートやサウンドヒーリングの場で活用していますが、何といってもびっくりしたのはその音色の素晴らしさです。小型なのに、倍音を含めた響きが豊かで、クリスタルボウルと併用することによりそれぞれの楽器の良さを増幅する作用を感じています。
昨年の5月にオーストラリアで開催されたクリスタルボウルのシンポジウムにゲストとして参加する機会があり、CDの販売に加えて、何か現地で紹介できる日本的な商品と考えていたところに浮かんだのが「てのりん」と「おともりん」でした。高品質で軽量小型、持ち運びに便利で買い求めやすい価格帯。シンポジウムの会場で2種を販売したのですが、あっという間に完売し、購入された皆さんはやはりその響きの素晴らしさに感嘆の声を上げ、もっと欲しいというたくさんの声をいただきました。
そんなこともあり、海外向け商品の可能性を感じての会社訪問となったのですが、ショールームに展示されていたおりんをベースにした多種多様で独創的な商品の数々、時間をかけてそれらの商品を吟味させていただきました。
その中で特に目を引いたのが今回ご紹介するQjo Bell (きゅうじょう ベル) です。その時点で、シリーズ3種のうちの一種であるHeaven’s Bell (ヘブンズ ベル)はすでに単独で販売されていました。サイズが微妙に違う2個のおりんの口を向かい合わせにした状態で連結された形状のベルには3粒の小さなセラミック粒子が入っていて、専用のりん棒 (マレット)でその表面を叩くと、叩く場所により、おりんの音、木魚のような音、鈴の音の三通りの音(チーン、ポクポク、リーン)が出るという伝統技術をベースに制作された画期的なベルなのです。
その後もヘブンズ ベルの音色が脳裏を離れず、社長さんご夫妻とさらに踏み込んだお話をする中で思わぬ方向へと展開し、大中小3種のサイズ、Heaven’s Bell、Celestial Bell、 Spirit Bellという名称の3個セットでの販売が決定されたのです。ちなみにCelestial Bell, Spirit Bell の名称はくりすたり庵の提案で決まりました。
連結されたおりんの側面部や底部を叩いたり、前後左右に振ったり、おりんの上下を逆に持ったりと自由な使い方ができますので、いろんな音の違いをお楽しみください。