20年ほど前に初めて聴いたフランス製チャイムの響き。その美しい音色と豊かに鳴り響く倍音や高周波音は、それまでのウィンドチャイムの音という概念を遥かに超えた響きを放ち、瞬時に深い安らぎと覚醒をもたらすという衝撃的な出会いになりました。それ以来現在まで、クリスタルボウルのコンサートやサウンドヒーリング、ワークショップなどで常に活用してきていますし、これまでに製作したアルバム中の5作にもチャイムの音を収録しています。
チャイムの響きは、場の空気を一瞬にして整え、心身の安定や意識の覚醒を促し、ストレスを緩和し、自立神経のバランスを整える優れたヒーリング楽器であることは疑いの余地もありません。
国立精神・神経医療センターの本田学医学博士の研究によると、音の癒しで重要な働きをする倍音を豊かに含む高周波音を全身に浴びることによる高周波音効果により、視床や視床下部を含む間脳や中脳、脳幹など脳の働きの基盤となる器官の血流が促進され、脳の重要ポイントが活性化されることにより、免疫力を高め、ストレスを緩和する可能性が高いということが判明しています。
チャイムの特徴は、何と言っても開発者が20年以上の長い年月をかけ改良を重ねて創り上げられた美しい生音の響きです。軽量小型のチャイムから鳴り響く調べに多くの人が驚き、賞賛の声をあげます。
コシ・チャイムは4種、
ザフィア・チャイムには5種のチューニングがあり、複数のチャイムを組み合わせて鳴らすことにより、倍音を含む高周波音どうしの共鳴が増幅され、単独で鳴らした時よりも音の幅や響きは格段に高まり、心身への音の効果も大幅にアップします。
数年前から、どちらかといえば脇役であったチャイムを「音の癒し」のメインに据えたサウンドヒーリング法を模索してきました。そして今年の4月より「
癒しのチャイム講座」をスタートさせ、併せてチャイムのCDの製作に取り掛かり、この度、第1作目のアルバム「癒しのチャイム」を発表する運びとなりました。
コシ・チャイムとザフィア・チャイム このアルバムで使用されている
コシ・チャイムと
ザフィア・チャイムは、元はと言えばフランス・ピレネー山脈の麓の町で1992年に設立されたシャンティ・チャイムが前身です。2010年に現在の2社に分かれましたが、両社が製造しているチャイムは、共鳴管の材質やサイズ、デザインなど細部の相違、各チューニングの名称は異なるものの、基本的な構造やチューニングなどは類似しています。双方のチャイムは高品質で独創的なれっきとした楽器です。
コシ・チャイム(4種)
・Terra(テラ)地
・Aqua(アクア)水
・Aria(アリア)風
・Ignis(イグニス)火
ザフィア・チヤイム(5種)
・Twilight(トワイライト)
・Sufi(スーフィ)
・Blue Moon(ブルームーン)
・Crystalide(クリスタライド)
・Sunray(サンレイ)
2018年6月5日、6日に、南伊豆・波勝崎のくりすたり庵で録音された音風景 南伊豆町波勝崎の大自然の中にひっそりと佇む
くりすたり庵の背後には、手つかずの森が広がり土地の周りを中小の3本の沢が流れ、上流には高さ4mほどの滝も流れ落ちています。森の緑や澄んだ空気に加えて、辺りは沢のせせらぎや野鳥のさえずり、動物や虫、風の音などの入り混じった人の可聴範囲をはるかに超えた高周波音や倍音などの自然音、自然のリズムの「ゆらぎ」などに満たされていて、騒音や不快な音からは完全に隔離された自然音の桃源郷です。
このような環境に身を置くだけで、一瞬にして私たちの心身は安らぎ癒されます。
「癒しのチャイム」には、時間とともに変化するくりすたり庵の自然音と、屋外に吊るした20個以上のチャイムが吹く風によって音色を変えていく一期一会の響きを同時に録音した
Soundscape/音風景に加えて、室内で録音されたコシ・チャイムとザフィア・チャイム6種を組み合わせた6曲、アルケミー・クリスタルボウルとチャイムの組み合わせによる1曲が収録されています。
*このアルバムは家の中や車の中、職場でもBGMとして、どこで聴いても構いません。音量を調整しながら、できればヘッドフォンではなくスピーカーを通して聴いてみてください。
(文:牧野持侑)